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2026.06.30
築古アパートを相続したら、まず何から手をつける?最初の90日間でやるべきこと

皆さん、こんにちは。SAKURA財産形成承継の大原です。

親から築古アパートを相続したとき、毎月の家賃収入という「資産」を引き継ぐ一方で、老朽化した建物の管理や複雑な法的手続きという、「責任と義務」も同時に引き受けることになります。

ここでやりがちな失敗は、慌てて売却やリフォームといった大きな決断をしてしまうこと。

後悔したり、親族との関係をギクシャクさせたりする前に、まずは現状を正確に整理するのが大切です。

そのためにも、「今すぐ手を打つべき緊急事項」と「落ち着いて計画すべき事項」を整理するところから始めましょう。

今回は、相続直後の最初の90日間で確認しておきたい実務と、特に注意したいポイントを、専門家の視点からわかりやすくお伝えします。

【最初の90日】の全体像を把握する

※悉皆調査…全て漏れなく確認する調査のこと

築古アパートを引き継いだあとには、法的・税務上の期限と物件運営の実務が同時並行で押し寄せます。

しかもそれらには締切(法定期限)があります。

たとえば、相続放棄の判断は3ヶ月以内、被相続人(亡くなった方)の所得を精算する「準確定申告」は4ヶ月以内、相続税の申告は10ヶ月以内です。

さらに、2024(令和6)年4月から義務化された「相続登記」は、取得を知ってから3年以内の申請が必要となりました(正当な理由がないまま放置していると10万円以下の過料の対象となります)。

特に注意したいのが、法改正前に発生した過去の相続分についても、遡って義務化の対象となる点です。

過去分については「2027(令和9)年3月31日」が申請の猶予期限となっており、残された時間は決して長くありません

これらと並行して、家賃口座の確認入居者対応も進めなければなりません。

最初の90日でこの全体像を把握し、優先順位を整理するかどうかが、その後の負担を大きく左右します。

STEP①|「お金の流れ」と「契約の中身」を確認する

建物の状態を見る前に、まずご確認いただきたいのが、家賃の入金口座と契約関係。いわば不動産の「ソフト面」です。

被相続人の死亡が金融機関に伝わると、その口座は凍結され、入居者は家賃を振り込めなくなります。

そうなる前に、ただちに暫定的な入金先(代表相続人の口座など)を決め、入居者や管理会社へ通知する必要があります。

次に重要なのが、アパートローンの有無と「団体信用生命保険(団信)」の確認です。

団信に加入していれば、被相続人の逝去によってローン残債はゼロになりますが、未加入の場合は相続人が返済を引き継がなければなりません。

収支状況によっては、3ヶ月以内という期限を意識して「相続放棄」も視野に入れる必要が出てきます。

あわせて、賃貸借契約書もすべて集め、現在の家賃設定、滞納の有無、入居者の状況(特に高齢入居者の割合や緊急連絡先の有無)を整理しておくと安心です。

STEP②|「古いところ」より「止まると困るところ」を優先的に修繕する

※デッドクロス…帳簿上は黒字なのに、返済や納税などで手元資金は赤字になる状態。

築古アパートを相続すると、「見た目が古いから、全体を綺麗にリフォームしなければ」と感じがちです。

しかし限られた資金の中で最初に着手すべきは、入居者の生活や安全に直結する部分です。

雨漏り、漏水、給湯器の故障といった生活に直接影響のあるライフライン関連は、放置すると入居者から賃料の減額を請求される直接的な原因になります。

さらに、共用階段の手すりのサビや腐食などを放置して転落事故が起きた場合、所有者には「工作物責任」という、過失の有無を問わない極めて重い損害賠償義務が民法上で生じます。

高額な事例の中には約1億2,900万円になったケースもあるほどです。

また、将来的な外壁塗装や屋上防水などの計画修繕を検討する際、あわせて押さえておきたいのが「アスベスト(石綿)の事前調査義務」です。

現在、解体・改修工事の請負金額が税込100万円以上となる場合、アスベスト含有の有無に関わらず、有資格者による事前調査行政への報告が義務付けられています。

築古物件ほどアスベスト含有建材が使われている可能性が高く、調査を怠れば罰則が科されるだけでなく、検出された場合の処分費用によって修繕見積もりが大きく膨らむ可能性があります。

そのため修繕にあたっては、この法規制に詳しい有資格者が所属する施工会社に相談する必要があります。

STEP③|数値化してはじめて「保有か売却か」を考える

「満室だからこのままで安心」と言い切れないのが、築古アパート経営の難しさ。

家賃収入が順調に入っているように見えても、近い将来に必ず必要となる大規模修繕(外壁・屋根・共用配管工事など)の予測コストを差し引いた、実質的なキャッシュフロー(手残り)を考えておく必要があります。

この数字がマイナスであれば、そのアパート経営は近い将来に行き詰まってしまうからです。

また、これまで親御様が自力で行っていた「自主管理」をそのまま引き継ぐのかという問題もあります。

本業を抱えながら、平日の夜間対応や家賃滞納の催促、退去後の原状回復トラブルといった日常業務を自力でこなすのは、心身ともに想像以上の負担になります。

だからこそ、将来の収支と修繕コスト、そして管理負担をすべて数値化したうえで、

  • 長期保有すべきか
  • 建て替えるべきか
  • 売却して別の都心の優良収益物件へ買い替えるべきか

を冷静に判断する、いわゆる「アセットマネジメント(資産全体の最適化)」の視点が欠かせません。

STEP④|親族との話し合いーー「共有名義」に要注意

相続人同士の話し合いがまとまらない!とりあえず「兄弟姉妹みんなの共有名義」のまま相続登記を済ませてしまおう!

そう考えているのなら、一度慎重に検討し直すことをおすすめします。

というのも民法上、共有名義の不動産には厳しい意思決定ルールが定められています。

日常の賃貸契約やリフォーム(管理行為)をするだけで過半数の合意が必要で、アパート全体の売却や、建替え、建物の解体(変更・処分行為)になると、共有者全員の合意が必要なのです。

例えば、相続人のうちお一人でも「親が建てた思い出のアパートを売りたくない」と反対されれば、老朽化した建物を売ることも壊すこともできず、資産を動かせない、いわゆる共有名義地獄と呼ばれる状況に陥ってしまいます。

遺産分割の段階で、アパートをお一人が相続し、他の相続人には金銭を支払う「代償分割」や、管理の意思決定を一元化する「家族信託」などの仕組みを活用し、早い段階で単独で所有するための道筋を立てておくことが大切です。

まとめ

築古アパートの相続では、相続登記、準確定申告、相続税申告と、複数の法定期限が同時並行で進んでいきます。

これらをご家族だけで抱え込み、判断を先送りにしてしまうことは、金銭的にも精神的にも大きなご負担につながります。

SAKURA財産形成承継株式会社は、税理士・司法書士・弁護士等との連携による「ワンストップサポート」体制を整えております。

単なる不動産の売買や管理の手配にとどまらず、お客様の資産全体を見渡したアセットマネジメントの観点から、保有・売却・買い替えなど最適なご提案を、客観的な立場でお届けいたします。

「相続したけれど、収支や今後の修繕リスクがわからない」という方のためのアパート現状診断・現状整理からお手伝いいたしますので、まずは当社のお問い合わせフォームより、お気軽にお問い合わせください。

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