column コラム
2025.05.15
相続が発生する前にやっておくべきこととは?〜トラブル回避&節税のために今すぐできる準備リスト〜
皆さん、こんにちは。SAKURA財産形成承継の大原です。
相続はある日突然やってきます。そのため、多くの人が準備不足のまま、相続の手続きを行うことになります。
結果として、「相続税の負担増」「相続人同士のトラブル」「不動産の管理放置」などの問題が発生するリスクが高まるのです。
多くの方が「まだ先のこと」と後回しにしがちな相続対策ですが、実は早めの準備が何よりも重要です。
特に「自分の相続」だけでなく、「ご両親の相続」についても一緒に考えておくと、より損を抑えることが可能です。
以下では、「相続が発生する前にやっておくべきこと」をチェックリスト形式でご紹介します。
2024年4月の「相続登記義務化」など、2025年3月時点での最新の法改正情報にも触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。
【相続前にやるべきこと】チェックリスト
まずは、以下のチェックリストで現状を確認しましょう。当てはまるものが少ないほど、早めの対策が必要です。
□財産のリストアップができている
□不動産や預貯金の管理者を決めている
□相続税が発生するかシミュレーションしたことがある
□遺言書の有無を確認してある
□相続する不動産の活用方針を決めている
□デジタル資産(SNS、メール、スマホパスワード)の整理をしている
□2024年4月以降の「相続登記義務化」について把握している
もし3つ以上チェックがつかなかった場合は、早めに準備を始めるようにしましょう。
相続が発生する前にやっておくべきこととは?
①財産の棚卸しをする
よくある相続の悩み
- どの資産が相続税の対象になるかわからない
- 相続人が財産を把握できるか不安
- 親の資産状況を聞き出すのが難しい
なぜ財産の棚卸しが必要?
相続が発生すると、まず相続財産を把握する必要がありますが、故人の財産状況がわからないと手続きが大幅に遅れてしまいます。
特に預金口座や有価証券、不動産などの資産が複数の金融機関や場所に点在していると、すべてを把握するのに時間がかかります。
このような事態を防ぐために効果的な対策が、財産の棚卸しです。
「不動産」「預貯金」「有価証券」「生命保険」「負債(ローンなど)」のほか、近年ではデジタル遺品(SNSアカウント、メールアドレス、スマホのパスワードなど)の整理も重要です。
定期的にどんな財産があるかを確認しておけば、いざ相続が発生した時にもスムーズに手続きに移ることができます。
やるべきこと
- 財産リストを作成(紙orデジタル)
- デジタル遺品のログイン情報を整理
②遺言書を作成する
よくある相続の悩み
- 遺言書にどんな内容を書けばいいかわからない
- 親が「うちの家族は揉めないんだから、遺言書は必要ない」と言って聞かない
- 親に遺言書の作成をどう切り出せばいいか悩んでいる
なぜ遺言書の作成が必要?
「うちの家族は仲が良いから大丈夫」と思っていても、いざ相続が発生すると思わぬトラブルが起きることがあります。
特に不動産などの分割しにくい財産がある場合、遺言書がないと法定相続分での分割を求められ、争いのもとになりがちです。
遺された方々が無用な争いをしないよう、予め遺言書を作成しておくことが大切です。
遺言書には主に「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」がありますが、「公正証書遺言」にしておけば、裁判所の検認手続きが不要でスムーズに相続手続きを進められます。
また、2020年7月から「自筆証書遺言保管制度」が開始され、法務局で安全に保管できるようになりました。
やるべきこと
- 遺言書の有無を確認
- 必要なら「公正証書遺言」の作成を検討
※詳しい内容は不動産相続と遺言書———正しい作成方法と注意点をご覧ください。
③相続税のシミュレーションをする
よくある相続の悩み
- 相続税がいくらかかるのか分からない
- できる限り節税したい/損をしたくない
- 相続税を払うための現金を確保できるか不安
なぜ相続税のシミュレーションが必要?
相続税の納税期限は「相続開始から10ヶ月以内」と定められています。
この期間内に納税資金を準備できないと、不動産などの資産を急いで売却する必要が生じることがあります。
相続税は基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人数)を超える財産に課税されます。
例えば、配偶者と子ども2人の場合、基礎控除額は4,800万円となります。
ご自身や親御さんの財産がこの金額を超える可能性がある場合は、早めの対策が必要です。
生前贈与(年間110万円までの非課税枠の活用)や生命保険(法定相続人1人あたり500万円までの非課税枠あり)を活用することで、相続税の負担を軽減できる可能性があります。
やるべきこと
- 相続税のシミュレーションを実施
- 必要なら「生前贈与」や「生命保険の活用」を検討
④相続不動産の登記を済ませる(2024年4月以降は義務化!)
よくある相続の悩み
- 相続した不動産の名義変更を後回しにしている
- 登記をしないと何か問題があるのかわからない
2024年4月の法改正ポイント
2024年4月から、不動産の相続登記が義務化されました。
これまでは「いつかやればいい」と後回しにされがちだった相続登記ですが、法改正により「相続を知った日から3年以内」に登記申請をすることが義務付けられています。
この義務に違反すると、10万円以下の過料(ペナルティ)が課される可能性があります。
また、登記を放置することで、将来的に相続人が増えるにつれて手続きが複雑化し、費用も増加する傾向にあります。
やるべきこと
- 相続した不動産の名義変更を速やかに実施
まとめ
「相続の準備は、相続が発生してからでは遅い」というのが、相続に関わる専門家の一致した意見です。
事前に適切な準備をしておくことで、相続税の負担軽減、手続きのスムーズ化、そして何より大切な家族間のトラブル回避が可能になるからです。
しかし、相続対策は法律・税務・不動産など多岐にわたる専門知識が必要なため、すべてを自分で行うのは容易ではありません。
「この分野は司法書士、こっちの分野は税理士……」とあちこちに相談して回ることになれば、仕事や日々の生活と両立するのは至難の業です。
そのような場合に心強い味方となるのが、総合的なサポートを提供する専門家です。
SAKURA財産形成承継株式会社では、SAKURAUnitedSolutionのネットワークを活かし、弁護士・税理士・司法書士などの専門家と連携した総合的なサポートが可能です。
不動産の評価や活用方法、相続税対策、遺言書作成のアドバイスなど、相続に関するさまざまなご相談にワンストップで対応いたします。
「相続の準備、何から始めたらいいかわからない」「親の相続対策をサポートしたいけれど、どう切り出せばいいかわからない」という方は、ぜひ一度弊社のお問い合わせフォームからご連絡ください。