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2025.08.30
不動産相続の「想定外の出費」、いつわかる?どう対策する?

「お父さんの遺してくれたマンション、兄弟でうまく相続できそうだな」

そう思った矢先に届いた市役所からの督促状……。

皆さん、こんにちは。SAKURA財産形成承継の大原です。

ご両親が収益物件を持つ50代の皆さまは、相続時の「想定外の出費」について考えたことはありますか?

「相続税くらいは覚悟している」
「登記費用に数万円はかかるよね」

そんな認識では、実際の相続時に家族が大混乱に陥る可能性があります。

一番の対策は「相続前から専門家に相談しておくこと」。複雑な計算や手続きも、プロフェッショナルが対応してくれます。

とはいえ、「まずは自分たちで考えてみたい」という方も多いはず。そこで今回は、実際に多くのご家族が直面した「こんなにお金がかかるなんて!」という5つの想定外費用について、

  • いつ発覚するのか?
  • どう対策するのか?

をわかりやすく解説します。

なお、文中の試算結果は諸条件によって変動します。あらかじめご了承ください。

未払い固定資産税

いくらかかる?500〜800万円程度(3〜5年分+延滞税)
いつわかる?相続手続き開始後、市区町村から督促状が届いたとき
対象となる不動産(例)評価額5,000万円程度の収益物件複数棟

未払い固定資産税は、固定資産税の滞納分と延滞税の合計額です。

延滞税は納期限からの経過日数に応じて加算され、法律上は最大で年14.6%とされています(2024年度は実質約8.7%)。

放置すれば元本に延滞金が日々加算され、年数が経つごとに支払総額が大きく膨らむ仕組みです。

例えば、評価額5,000万円のアパート3棟を持つ場合、年間固定資産税は約210万円。これを3年間滞納すると延滞税込みで総額680万円にもなります。

認知症の初期症状や高齢による管理能力の低下で、いつの間にか支払いが止まっているケースが急増しています。

POINT

固定資産税は地域によって大きく異なります。都市部(東京23区など)では評価額が高く税額も高額化しますが、地方部でも「金額が小さいから安心」は禁物。

延滞税は地域に関係なく全国一律なので、たとえ年間30万円の地方物件でも、5年滞納すれば延滞税込みで200万円を超えることがあります。

今からやっておくべき対策

年1回の納税状況確認

親と一緒に市役所で納税証明書を取得し、滞納がないかチェックしましょう。

通帳記録の定期確認

固定資産税の引き落とし状況を通帳で確認。引き落としができてない状況が続いていないかを把握します。

自動振替の設定と残高管理

自動振替の設定確認と、引き落とし口座の残高管理を徹底しましょう。

登録免許税(評価額の0.4%)

いくらかかる?数十〜100万円程度
いつわかる?司法書士から見積もりを受け取ったとき
対象となる不動産(例)評価額合計8,000万円~2億円の収益物件

相続登記時に法務局へ納付する国税で、司法書士報酬とは完全に別物です。

多くの人が「手数料」だと勘違いしており、見積書を見て「名義変更でこんなにかかるの?」と驚愕します。

固定資産税評価額の0.4%で計算されるため、マンション3棟(評価額計1億2,000万円)の場合は48万円。

司法書士報酬(20万円と想定)と合わせて68万円の出費となり、「登記費用」として想定していた金額を大幅に上回ります。

POINT

2024年4月から相続登記が義務化されました。相続を知った日から3年以内に登記を行わないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。

今からやっておくべき対策

固定資産税評価証明書の取得

全ての不動産について固定資産税評価証明書を取得し、現在の評価額を確認しましょう。

登録免許税の概算計算

評価額×0.4%で登録免許税を計算し、必要資金を事前に準備します。

複数物件の合計額確認

複数物件がある場合は、全ての評価額を合計して計算することを忘れずに。

突然の修繕費用

いくらかかる?数十〜数百万円
いつわかる?相続直後、管理会社や入居者から設備故障の連絡が立て続けに入ったとき
対象となる不動産(例)築15年以上のアパート・マンション

相続直後に限って設備トラブルが連発する——そんな“相続あるある”をご存じでしょうか?

エアコン、給湯器、屋根、外壁など、築年数を経た設備がこのタイミングで一斉に不調になるケースは少なくありません。

これはオーナーの交代によって、これまで見過ごされていた不具合が顕在化したり、耐用年数を迎えた設備が偶然タイミングを同じくすることが要因です。

不動産管理の現場では“あるある”として語られる現象でもあります。

たとえば、築20年のアパート(12戸)では、

  • エアコン6台交換(約80〜90万円)
  • 給湯器4台交換(約50〜70万円)
  • 屋上防水工事(約150万円)

といった修繕が必要となり、合計で300万円以上の出費となることもあります。

しかも、入居者の生活に関わる設備ばかりのため、対応を後回しにすることは難しく、急な出費を余儀なくされます。

今からやっておくべき対策

建物診断の実施

専門業者による「建物診断」で設備の寿命と交換時期を把握しておきましょう。

設備の更新スケジュールの作成

各設備の更新時期を一覧化し、計画的な設備投資の準備を行います。

修繕積立金の準備

家賃収入の10%程度を修繕積立金として別途貯蓄しておきましょう。

共同相続人間での清算費用

兄弟で共有相続した場合に、管理費・修繕費・固定資産税などを誰かが立替え続けると、後日精算する際に想定以上の大きな金額になっていることが珍しくありません。

家族関係を悪化させる要因となる費用でもあります。

例えば、マンション3棟を5年間管理した場合、固定資産税350万円、修繕費250万円、管理費180万円で総額780万円かかったとします。これを3人で分割すると各自260万円の支払いとなります。

誰かが、

「そんなお金ない」
「急に言われても困る」

などと言い始めると、家族関係がギクシャクし、トラブルに発展するケースもみられます。

今からやっておくべき対策

立替ルールの事前決定

誰が立て替えるか、どのように精算するかを家族で事前に決めておきましょう。

領収書を全員で共有する仕組みを作る

立て替えた費用の領収書は全員で共有し、透明性を確保します。

年1回の定期清算

費用が累積する前に、年1回の定期清算の仕組みを作っておきましょう。

未払い管理費・修繕積立金

いくらかかる?数百万円
いつわかる?相続手続き中、管理組合から法的措置予告通知が届いたとき
対象となる不動産(例)分譲マンション投資物件(複数戸所有)

分譲マンション投資での管理費・修繕積立金の滞納額です。複数物件の管理は想像以上に複雑で、気づかない間に滞納が累積し、法的措置寸前まで進んでいるケースもあります。

マンション4戸(各月4万円)を3年間滞納すると、4万円 × 12ヶ月 × 3年 × 4戸 = 576万円。

「不動産投資は手間いらず」と思っていても、実際は各管理組合とのやり取りが必要で、高齢になると管理しきれなくなります。

その結果、未払い管理費・修繕積立金が蓄積していってしまうのです。

今からやっておくべき対策

全物件の管理費の支払い状況を一覧化

所有する全ての分譲マンションの管理費支払い状況を一覧表で管理しましょう。

各管理組合への残高照会

定期的に各管理組合に残高照会を行い、滞納がないか確認します。

自動振替設定の確認

全ての物件で自動振替が設定されているか、引き落とし口座の残高は十分かを確認しましょう。

まとめ

これら5つの想定外費用だけで、合計数百万円から1,000万円を超える出費になることも珍しくありません。

特に兄弟での相続では、「誰が知っていたか」「なぜ気づかなかったか」で関係が悪化するケースも多発しています。

重要なのは、相続が発生してから慌てるのではなく、親が元気なうちに家族で情報を共有し、事前に対策を講じることです。

SAKURA財産形成承継株式会社では、これらの想定外費用を含めた総合的な相続対策をサポートしています。「うちは大丈夫」と思っていても、実際に調べてみると様々な課題が見つかるものです。

まずは一度当社のお問い合わせフォームにご相談ください。経験豊富な専門家が、あなたのご家族に最適な対策をご提案いたします。

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